図書館にある指輪物語の比較をする話
この記事はTCU-CTRL場外乱闘 Advent Calendar 2018 18日の記事です。
前回の記事はこちらです。
登山の知識はないので具体的な言及はできないんですけど、とりあえずちゃんと生きて帰ってきてくださいね。アウトドア系の人間は周囲に滅多にいないので、行動力はすごいなぁって尊敬します。
発端
レンバスってなんだ…?
http://amzn.asia/d/0P3ZFac
↑あ、ゲッサンミリオン買ってね。
ついでにミリシタも始めてください。
失礼、いきなりㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ脱線しました。
とりあえず困ったときはgoogle先生に聞きましょ。
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レンバス - Google 検索
「なるほど、エルフの食べ物なんですね。七尾さんらしいです。」(瑞希ちゃん風)
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納得。何かに出てくるアイテムだろうなーとは思ったけどやっぱりそうだった。
ところでこの指輪物語って聞いたことあるなぁ。最近、読書のマイブームが来てるからちょっと調べてみよう。最近読んでるのは探偵小説ばかりだから、ファンタジーも読んでみたいしね。
とりあえずwikipediaあたりを読めば概要は把握できるかな。
『指輪物語』(ゆびわものがたり、原題:The Lord of the Rings)は、イギリスのJ・R・R・トールキンによる長編小説。妖精や魔法使いが国家を築き、戦争を繰り広げる架空の世界を舞台としたハイ・ファンタジー作品である。初期作品『ホビットの冒険』の続編として始まるが、より大きな物語になった。1937年から1949年にかけて少しずつ書かれたが、執筆期間の大部分は第二次世界大戦中であった[1]。最初の版は1954年から1955年にかけて3巻本として出版された[2]。以来多くの言語に翻訳され、増刷を重ね、20世紀文学で最もポピュラーな作品の一つになった。
ふーん、なるほど。 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
イギリスのJ・R・R・トールキンによる長編小説。
ん?トールキン?
あっ
あっっっっっっ
読まなきゃ!!
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本を入手するぞ
さすが私ですら聞いたことがある有名なお話なだけあって、指輪物語読もうかな〜ってTwitterに書いたら何人かが反応してくれて色々な話題が出てくる。ありがたい。
その中でけっこう重要だと思ったのがこれ。
指輪物語の一巻の最初は本当に挫折する人多いから気をつけるんだぞ
— レジまくら(@cap_pepsi) December 14, 2018
まじですか…
とはいえわたしも本気。今年の夏ごろに百合子ちゃんに出会ってから、それまで全くなかった読書の習慣を身につけようと決意し、ここ2ヶ月では文庫本12冊読んでたぐらいだし。ちょっと読みづらい本でも百合子ちゃんを知るために頑張らなきゃ。
こんなんだから全く面識のない人にミリシタのやべーやつって認識されるんだよ
ところで読みたい本があったら、買う前に学校の図書館にあるか調べてみなきゃ。指輪物語は有名なお話だし、さすがにあるだろうけど。どれどれ…
ありすぎる!
情報をかき集めてみたところ、まあ当然だけど、翻訳ものなので後に出たものは内容が読みやすく修正されてたり、訳者が違うと用語の翻訳が異なっていたりするらしい。しかし残念ながら、この貧弱な図書館データベースでは発売時期すらいまいちよくわからない。しかも「挫折するぞ」とか脅されているので(語弊)本選びの段階でつまづくのは非常によろしくない。
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わからないならどうするか?
自分で調べればいいんだよ!ってことでとりあえず初巻に片っ端から貸し出し予約を投げつけることにした。 えいっ。(大迷惑)
そして
届いた。ついでに、指輪物語の前編にあたるホビットの冒険も借りておいた。
では比較いってみよー。
本を手にとってみる
ここまでは半分ネタで、ここからがちゃんとした記事なのでちょっと書き方を変えます。
1冊目 「旅の仲間 上」
いや、全部同じ本なので本の名前書いても識別できないんですけどね。
このままではさすがにちょっと困りますし、赤いのでニックネーム「レッド」にしましょうか。
翻訳者に「瀬田貞二」としか書かれていません。あとの2冊は訳「瀬田貞二・田中明子」と書かれているので、どうやらこれが一番古い本のようです。
ハードカバーで、作りはかなりしっかりしています。紙の風化具合や貼ってあるシールの学校名から相当古い本であることは間違いないのですが、見た目は3冊のうち1番綺麗です。
本の表紙部分にはタイトルが書かれていませんが、背表紙にはちゃんとあります。
風化してしまったのか、字は薄くて読みづらくなっていますね…とはいえこの雰囲気は電子書籍にはない、現実の本が持つ魅力ですね。ちょっとかすれすぎですが…
2冊目 「旅の仲間 上」
ISBN4-566-02354-0
青いので「ブルー」と呼びます。
サイズはレッドと同じで、同じく作りも丈夫なハードカバーです。どうやら赤い本体の上から青い表紙を被せただけのようですね。青い紙の部分が少々ボロボロになっているのですが、本体はレッドと同じようです。
どうやら本体部分はブルーの方が鮮やかな赤色で綺麗な様子。
ただ単に新しいだけの可能性は否定できないので、一概に比較はできませんが。
3冊目 「旅の仲間 上1」
ISBN4-566-02362-1
最後に紹介するのはこちら。
今までとはタイトルが違い「上1」になっており、上だけで2つに分かれています。それもそのはず、今回借りてきた4冊のうち、これだけは文庫本サイズで軽いです。電車での移動中に読むことも多い私にとって、この手軽さは魅力的ですね。家に保存しておきたいなら、作りが丈夫な上記2冊の方が向いているでしょうけど…。
タイトルも見た目も大きく違うので識別は容易ですが、上記2冊に合わせて呼称は「ホワイト」とします。
ISBNの番号も大きいので、これが一番新しいようですね。とはいえハードカバーではないので、見た目は一番ボロボロになっています。
内容を見てみる
それぞれの本の紹介も軽くできたところで、早速中身を見ていきたいと思います。
中身の大筋は同じで、本編に入る前に、この物語の前作にあたる書籍ホビットの冒険、ホビットという種族についての説明があります。なのですが、なんとこの冒頭の説明だけで数十ページあります。圧巻のボリュームですね。
とはいえホビットの冒険自体が相当なボリュームを持つ本であり、そちらから読もうとしたらそれだけでかなりの時間がかかるので、指輪物語の本編を早く読みたい方にはありがたいことでしょう。私は時間のある人間なので、ホビットの冒険からじっくり読んでいきたいと思っています。
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さて、表紙をぺらりとめくってみると、早くも違いが見えてきました。ブルーにはおまけがついているようです。
中身を直接見せることは避けますが、地図と、簡単な人物紹介がされています。これは図書館の所蔵なので残念ながらテープで固定されてしまっているのですが、地図を広げながら読めたら話が読み込みやすくなるでしょうし、なによりわくわくしますね。
地図という点だけで見れば、レッドやホワイトにも挿絵として地図が入っているのでそこは心配ありません。しかしホワイトの地図は白黒で、かつ文庫本サイズのため少し見づらいです。じっくり読みたいのであれば、やはりホワイトは少々向いていないですね。
手軽さは議論するまでもなくホワイトの圧勝なので、私のように借りて読むにしてもどれを借りるかはちょっと考えどころです。
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さて、文章の部分も少し読んでみます。訳者が違うので、どこかに表現の差があるはずです。おそらくブルーとホワイトの中身は同じなので、レッドとの比較になります。
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序章の説明を読んでいて、最初に発見したのは長さの単位の違いです。レッドでは"呎"、ホワイトでは"フィート"の単位が使われています。なるほど、翻訳者による違いが出るのはこのあたりなのですね。呎はフィートの漢字表記です。約30センチ。
しかし残念なことに、フィートは現代日本では馴染みの薄い単位と言わざるを得ません。ましてや「呎」なんて単位は聞いたこともない方が大半でしょう。(私も今調べて知りました。)
文章中に現れる数字の大きさとしては変わらないのでどちらの表記であっても特に印象が変わることはありませんが…
"四呎五吋"と"四フィート五インチ"という表記でどっちが読みやすいか、で比較すると良いかもしれませんね。なお、この数字は文中からの抜き出しです。
私は後者の方が読みやすいので、ブルー・ホワイトの方が合っているようです。とはいえ軽く読んだ程度ではそれ以外に差異を見つけられませんでしたので、どちらか好きな方でも問題なさそうです。
文については全然差がなかったので、短いですがこの程度にしておきます。
ホビットの冒険もちょっと読んでみる
岩波書店版と原書房版があるようですね。手元にあるこれは岩波書店版で、翻訳者も同じなので用語などの整合性が取れているようです。結構重要なポイントですね。
この作品は児童文学の影響を受けているとのことで、実際に、この翻訳された本でもその雰囲気がかなり見られます。
表現はシンプルで分かりやすく、さらっと流しつつ読み込みやすいです。一方で、漢字にふりがなが振ってあり、そもそもひらがなが多く使われているなど児童向けの色合いが強くあるため、少々読みづらさもあります。ありますが、ひらがなによるやさしい表現ですし、なれればすんなりよめそうな気もします。ちょっといしきしてひらがなを多めにしてみましたが、こんなかんじです。
まとめ
レッド
一番古いです。少し表現が古いと感じるところがあるかもしれませんが、他2冊と比べて劇的な変化があるわけではなさそうです。本の見た目や手触りはよいです。
ブルー
レッドとほとんど変わりません。少なくともこの本については地図を広げて見ることができます。フィートなどの表現に変更され、少し読みやすくなっています。表紙にガッツリとイラストがありますが、レッドの無地デザインと比べ、どちらがいいかは完全に好みですね。
ホワイト
文庫本なので手軽で読みやすいです。ただし、地図の視認性などで大きく劣っているため、しっかり読みたいなら上記2冊の方が向いているでしょう。
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図書館を利用して全て手元に揃えた上での比較なので、もし購入するなら、値段の観点でも文庫版のホワイト一択になりそうですね…。レッドやブルーの迫力もかなり魅力的ですので、機会があれば是非手に取ってみてください。
本記事は以上です。
明日はfum1n0さんの記事です。楽しみにしています!